経理の仕事を変える!クラウドとAIの力
アメリカの会計業界では、「クラウド会計ソフトを使わないなんて信じられない」というのが常識です。
実際、2024年の時点で小規模事業者の約7割がクラウド会計を導入しています。
クラウド会計ソフトを使うことで、
・銀行口座やクレジットカードと自動で連携
・請求書や経費処理を自動化
・経営者・税理士・経理担当が同時に同じデータを共有
といった仕組みが可能になります。
つまり、会計処理だけでなく、コミュニケーションの効率化にもつながるのです。
海外ではスタートアップ企業による会計アプリの開発も盛んで、
API(アプリ同士の連携技術)を使って、業務を自動化する方法が次々と生まれています。
一方、日本は「紙文化」が根強く、自動化が進みにくいと言われてきました。
しかし最近では、領収書や請求書をスキャンするだけでAIが自動で読み取り・仕訳を行うツールが急速に普及しています。
OCR(文字読み取り)とAIを組み合わせたソフトを使えば、
紙の書類でもデジタル化して効率よく処理できるようになってきたのです。
さらに、欧米ではAIの使い方がもう一歩進んでいます。
AIが単にデータを入力するだけでなく、「不自然な支出がないか」「資金が不足しそうではないか」
など、異常や危険の兆候を自動で察知する機能が広がっています。
この仕組みを支えるのが「機械学習(ML)」です。
AIが“今起きていること”を自動化するのに対し、MLは“これから起こること”を予測します。
つまり、AI+MLを活用することで経理は単なる事務作業から、
経営を守る「先読み型の仕組み」へと進化しているのです。
電子インボイスはヨーロッパでは常識、日本はこれから
日本ではインボイス制度が始まって2年が経ちましたが、
国税庁の基本方針は「紙保存が原則、電子はオプション」という立場でした。
しかし世界の潮流を見ると、状況はまったく異なります。
ヨーロッパではすでに電子インボイス(電子的な請求書のやりとり)が当たり前になっています。
・イタリアでは2019年からすべての企業で義務化
・フランスは2026年までに完全導入予定
・ドイツも2025年から段階的に導入予定
電子インボイスの最大のメリットは、会計ソフトにそのままデータを取り込めること。
フォーマット(形式)が統一されているため、入力ミスも減り、経理の処理がスピーディーになります。
電子インボイスの国際標準規格として世界で最も普及しているのが「Peppol(ペポル)」という仕組みです。
日本政府もこの方式の導入を進めており、
今後は請求書の郵送や承認待ちによる支払いの遅れなどが減ると期待されています。
これからは、「紙で送る」よりも「データでつながる」時代へ。
電子インボイスの普及が、経理業務のスピードと正確さを大きく変える鍵になりそうです。


国税庁動画チャンネル https://youtu.be/HHH1on2yXYo?si=Xee-8YEkQBGXq1A0
「内部統制」は中小企業こそ取り入れるべき!
「内部統制」というと、大企業や上場企業の話だと思われがちです。
しかし実際には、中小企業にこそ必要な仕組みです。
中小企業では、ひとりの経理担当者が「請求」「入金」「支払い」などをすべて担当していることが多く、
その結果、ミスや不正が起きても気づきにくいという問題があります。
国際的な調査でも、「小規模事業者の方が大企業よりも不正リスクが高い」と指摘されています。
これまで日本では「経理担当は信頼できる人に任せること」が重視されてきました。
しかし、クラウドやデジタルの仕組みをうまく使えば、「信頼」ではなく「仕組み」で会社を守ることができます。
たとえば、こんな工夫です:
・クラウド会計ソフトの承認機能をそのまま使う
・請求と入金の担当を分ける、または一部を外部に委託する
・経費精算を電子化し、承認の履歴を自動で残す
・会計事務所にもアクセス権を付与して“第三者の目”を入れる
これだけでも、不正防止や透明性の向上に大きく貢献します。
「一人より二人の目でチェックするだけでリスクが半分になる」と言われるのは、このためです。
上場企業では資本市場からの資金調達と引き換えに、多額のコストと時間をかけて内部統制を整備しています。
しかし、中小企業でもクラウドを活用すれば、スマートフォンで承認・確認ができ、履歴も自動保存されます。
担当者が急に退職しても、記録が残っていればすぐに引き継ぎが可能です。
このように、デジタルの力を取り入れた内部統制を行うことで、
中小企業でも「止まらない経理」「安心して続く組織運営」を実現できるのです。
【まとめ】テクノロジーが経理を変える、企業成長の新ステージへ
AIやクラウド、電子インボイス、内部統制といった言葉は、難しそうに感じるかもしれません。
しかし、その本質は「人がやっている大変な作業を、仕組みとテクノロジーで支える」というシンプルなものです。
経理のデジタル化は、もう特別なことではなく「次の一歩」です。
これからの時代、テクノロジーをうまく活用することが、会社を守り、成長させる最大の武器になるでしょう。