●優秀な経営者ほどお金が必要
会社はなぜ上場を目指すのでしょうか。
企業が上場を目指す理由は、信頼やステータスの獲得だけでなく、
資金調達と大規模なビジネスの展開が可能になるためです。
優秀な経営者は、ビジネスを拡大するために資金を集める手段として上場を選びます。
反対に、資金が不足すると会社は倒産してしまうため、
サービスや売り上げがあっても、資金管理が重要です。
キャッシュフロー管理は、企業の未来を創るために欠かせない要素です。
●キャッシュフロー管理の考え方
キャッシュフローとは、会社におけるお金の流れ、
具体的には、事業活動による現金(通帳残高)の収入と支出のバランスを意味します。
会社は売上を上げて利益を出すことが求められます。
お金が足りなければ会社は倒産します。
また、 たとえ収支が赤字でも、 お金が足りていれば会社は継続することができます。
その企業活動の根幹を担うキャッシュフローの管理は、会社の入出金を以下の
3つの視点に区分すると理解がしやすくなります。
1. 営業キャッシュフロー
日々の商売上の現金収入と支出のバランス
(売上代金の回収や仕入代金の支払いを含む)
2. 投資キャッシュフロー
設備投資や事業拡大のための支出と、余剰資金の運用にかかる収入
(新しい機械の購入や他社への投資が該当)
3. 財務キャッシュフロー
借入金の返済や株主への配当など、資金調達に関連する現金の流れ
(銀行からお金を借りて返済する、 投資家から出資を受けたり配当することが該当)
●具体的な管理方法
キャッシュフロー管理は、実務では教科書通りに進められるものではなく、
地道で泥臭い業務が求められます。
特に経理担当者は慎重に扱い、時にはお金を集めるために頭を下げることもあります。
実務でよく使われるのが「資金繰り表」で、これは営業活動、投資活動、財務活動の3つに分類し、
未来の収支を予測して現金不足を防ぐ役割を果たします。
資金繰り表を活用することで、現金が不足する場合には融資申込や支払いの延期などの対策を講じ、
営業活動を続けることができます。
また、現金が過剰な場合には、それを有効活用するための計画を立てることも重要です。
これにより、無駄なコストを削減し、収益性を向上させることができます。
定期的に資金繰り表を作成し分析することで、将来の資金危機に早期に気づき、適切な対策を取ることができます。
会社の存続と成長には、売上や利益だけでなく、
現金の流れをしっかりと把握し、管理することが欠かせません。
キャッシュフロー管理を徹底することで、
会社は安定した経営基盤を築き、 明るい未来を描くことができるのです。