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2024.08.30

経理が知りたい「財務知識」 〜事業コントロールのための財務知識〜

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経理が知りたい「財務知識」 〜事業コントロールのための財務知識〜

商売においては、同じことをしても人によって結果が大きく異なることがあります。

成功を収める人もいれば、残念ながら破産してしまう人もいます。

この差は、成功に必要な知識を持っているかどうかによることが多いです。
今回は、事業成功のために欠かせない財務知識、特に財務管理に焦点を当てて解説します。

●財務管理と実例

財務管理は、会社が資金を集め(例:銀行からの借入や株式の売却)、
それをどう活用するか(例:新しい工場の建設やプロジェクトへの投資)を考える重要なプロセスです。

これは会社の長期的な成長を支えるための戦略的な計画作りです。

例えば、ラーメン店を1,000店舗展開したいという青年がいても、
財務管理の知識がなければ事業拡大が困難で、資金繰りに失敗して破産する可能性もあります。

●成長戦略

この青年は財務管理の観点から、事業計画を以下のように立てました:

1. 初期資金の調達: 親からの借入や銀行融資を検討し、コスト削減のために中古の厨房機器を購入し、
居抜き物件を借りる。生活費は貯金から捻出。

2. 2店舗目以降の資金調達: クラウドファンディングで資金を集め、
10店舗に達したら投資ファンドからの資金調達に切り替える。

3. 拡大戦略: 低コストな小規模店舗を郊外のショッピングモールにプレハブで設置し、迅速に拡大。

4. 世界展開: 人口増加が見込まれる南アジア地域を中心に、年間100店舗のペースで世界中に展開。
資金は各国の金融市場から調達。

この戦略により、青年は20年で1,000店舗の目標を達成しました。

●財務管理の要点

この事例からわかるように、財務管理は単なる数字の管理ではなく、事業の未来に向けた戦略的な計画と実行が含まれます。
資金調達の方法を理解し、それを効率的に活用することが事業成功の鍵です。

また、市場の変化に応じて計画を柔軟に調整する能力も重要です。
このストーリーでは、青年の夢の実現において財務管理がいかに重要であるかを示し、
具体的な作成資料についても以下で詳しく説明していきます。

1:資金調達計画表
資金調達のソースごとに、調達予定額をリストアップする。
各資金調達ソース(親からの借入、銀行融資、クラウドファンディング、投資ファンドなど)に関する条件
(利率、返済期間など)を明記する。




2:投資決定表
投資先(中古の厨房機器、居抜き店舗、プレハブ店舗など))ごとに、予定される投資額を示す。
各投資の予想収益率や回収期間などの追加情報を含めることができる。


3:費用管理表
初期投資と運営コスト(人件費、賃貸料、材料費など)を分類してリストアップする。
各コスト要素の削減策と予想される節約額を記載する。



4:成長戦略のタイムライン
時間軸に沿って、主要なマイルストーン(新店舗のオープン、 クラウドファンディングの開始、
投資ファンドからの資金調 達など)をプロットする。
各マイルストーンに必要な資金調達額と期待される成果を示す。

●まとめ

財務管理の戦略により、会社は必要な資金を集め、効率的に活用して利益を上げ、
企業価値を向上させることができます。

財務管理を怠ると、運転資金不足や過度な借入による利息や返済の問題が生じる可能性があります。

財務管理は経営の最高レベルの意思決定に深く関わる会計技術の一つであり、
この分野を学ぶことで経営陣の意思決定に直接貢献する重要なポジションに就くチャンスが得られるでしょう。