Step1. まずは「前年度の実績」を参考にしよう
いきなりゼロから予算を組もうとすると、初心者には難易度が高く非現実的です。
理由は、必要な経費をすべて把握するのが難しく、経験が少ない場合見落としも増え不正確になってしまうからです。
そこでおすすめなのが、「前年のデータ」を活用する方法です。
前年の財務データは、会社の運営における収入、支出の項目を把握するための重要な基礎資料となります。
会社の収支データ(売上・経費など)をExcelなどに入力して、そこから次年度の予算を組んでいきましょう。
前年度のコピーでも、一定の精度を保ったまま予算の土台ができます。
新規事業などで前年度のデータがない場合は?
同じような業種・規模の会社の事例や業界平均を参考にしてみましょう。
どれだけ熟考し工夫を重ねたビジネスでも、数字の傾向は類似するビジネスと似通うことが多いものです。
また、会計事務所や商工会議所に相談するのも有効です。
Step2. 経費は「固定費・変動費・一時費用」に分けて整理
予算を組む際は、前年の数字をそのまま使うのではなく、必要に応じて「修正」することが重要です。
社会や業界の状況は毎年変化します。
たとえば、物価の上昇や取引条件の見直しなど、前年と同じとは限りません。
経費は次の3つに分けて見直すのがポイントです。
●固定費
事業運営を支える基盤的な要素であるため、削減が難しい部分でもあります。
ただし、オフィス縮小やリモートワーク導入で固定費の一部を削減することが可能です。
●変動費
経営の状況に合わせて調整がしやすい特徴があるため、予算編成の際には注目すべきポイントです。
特に、取引先との価格交渉や、仕入れ方法の改善などで大きなコスト削減が期待できます。
●一時費用
新しい設備の導入、システムのアップグレードなどですが一時費用は頻繁に発生しないものの、
支出額が大きく、予算全体に大きな影響を与える可能性があります。
このため、慎重に計画を立て、支出のタイミングや金額を最適化することが求められます。
Step3.リスクを想定して「予備費」を組み込もう
予算を組むうえで忘れてはいけないのが、万が一に備えた 『予備費』の確保です。
特に小規模な企業では、リスクに対応する余力が限られるため、予備費を計上しておくと安心です。
たとえば、下記の想定外の出費はどんな企業にも起こりえます。
・エアコンが壊れた
・社員が急に退職した
・訴訟やトラブルへの対応費用が発生した
予算をギリギリで組むと、こうした費用を捻出できず、事業運営に支障をきたす可能性があります。
そのため、設備のメンテナンス費用や予備費をあらかじめ計上しておくことが重要です。
リスクへの備え方
この10年間を振り返ると、社会全体では災害やパンデミックなどの予測が困難な出来事が多く発生してきました。
しかし、すべてのリスクを見積もるのは非現実的です。
そのため、1〜2年に1度程度発生しそうなリスクに絞り、リスク予算を計上するのが現実的です。
使わずに済むのが理想ですが、余った場合は「広告や採用」「従業員研修」など、会社の未来につながる使い道も検討できます。
まとめ:予算は「完璧」より「まずは作ってみる」が大事
初心者にとって予算編成はハードルが高く感じるかもしれません。
でも、前年の実績を活かし、経費を整理し、少し余裕を持たせることで、しっかりした予算が作れるようになります。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫。
まずは手を動かして一度作成してみることが成長への第一歩です!