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2022.08.02

【2022年度税制改正】賃上げ促進制度:押さえておきたい3つのポイント

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【2022年度税制改正】賃上げ促進制度:押さえておきたい3つのポイント

毎年行われる税制改正。
2022年度は電子帳簿保存法やインボイス制度が盛り込まれ話題を集めています。
その中から今回は「賃上げ促進税制」についてご紹介していきます。
(電子帳簿保存法<前編><後編>インボイス制度は動画でもご紹介していますので、よろしければそちらもごらんください:マネーリテラシー研究所

賃上げ促進税制とは

はじめに、「賃上げ促進税制」について確認していきましょう。

以前から実施されていた同じ制度が今年、
適用期限や上乗せ措置が見直され、「賃上げ促進制度」としてリニューアル。
新たにスタートをきりました。

これは、前年度よりも従業員の給料を上げた企業に対してその増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から控除できる制度です。

控除額は大企業と中小企業で異なりますが、
中小企業は前年度と比べ雇用者全体の給与等支給額の増加により控除額が15~30%の控除、プラスして教育訓練費が前年度比10%以上増加した場合も10%控除となるので、最大で40%減税されることになります。

賃上げに取り組もうとする中小企業にとっては力強い支援となりそうです。

注目したい3つの勘定科目

それでは自社が適用要件に当てはまっているかどうかはどこでみたらいいのでしょうか。

ここで注目したい3つの勘定科目があります。

①給与・賞与等
②教育訓練費
③継続雇用者の給与


①給与・賞与等
「給与手当」「賃金手当」「賞与」「雑給」などの勘定科目の合計額
(前年度より1.5%以上の増加で15%、2.5%以上の増加で30%控除)
※ここでいう「給与」は、国内に勤務する社員、パート、アルバイト、日雇い労働者への支払いをいいます。


②教育訓練費
(前年度より10%以上の増加で控除額がプラス10%)
※ここでいう「教育訓練費」は、国内メンバーに対する教育、訓練、研修、講習にかかる費用をいいます。


③継続雇用者の給与
前年度と今年度でそれぞれ1回以上給与を支払っている国内メンバー(継続雇用者)への給与総額
(前年度より3%以上の増加で給与増加額に対して15%、4%以上の増加で給与増加額の25%、控除)

         

コロナ禍で先行き不透明な社会状況の中、賃上げに踏み切るのが難しいという企業もあるでしょう。
要件に当てはまっていながらこの制度を知らないために気づいていないケースもあるとききます。
この機会に自社の会計を見つめ直し、この制度を活用しませんか。